最低投票率なんていう考え方は算数的に破綻している

憲法改正の枠組みを用意することについては異論はない

毎日新聞は社説で憲法に改正条項がある以上、国民投票の仕組みを決めるのは当然だと主張してきた。(毎日

私もこれに同意

そもそも、どんなルールだったかというと、

憲法第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

この条文の曖昧さが気持ち悪いから改正したいというのは置いておく

これがルールなのだから、これに合わないような国民投票法案では憲法違反になるということは、護憲派諸君もわかっているでしょう。「有権者総数のうちのわずかな賛成だけで改憲がなされかねない(東京)」ということを理由に最低投票率などというものを持ち込みたいと思う向きは、ちょっとだけ、ほんとうにちょっとだけ計算をしてみてほしい

最低投票率などというものがなければ、投票の結果は自分の希望するとおりに作用する。最低投票率があると、投票の結果が自分の希望とは逆に作用しうる、つまり「改正反対」のつもりの投票行動が、「改正」を後押しすることになりうる。「1票の価値問題」の新しいバージョンが生まれるわけだ

さらに悪いのは、戦後民主主義の基本的な(たぶん)原則「文句があるなら投票しろ!」が成り立たなくなることだ。投票しない奴の意見を反映させるなどということは、してはいけないことだと思う

これは、ルールが「投票の過半数」である以上仕方のないこと。投票の過半数と最低投票率の2つの条件を組み合わせて「有権者のうちの適切な割合」という理想をかなえることはできない(誰でもわかる算数の範囲内では)。理想を実現したいなら、「特別の国民投票」に、全員強制参加などという条件を付けることだ

幸いなことに、今日(15日)の社説で最低投票率を設定すべきだと匂わせているのは朝日東京だけ。司会者がやたらに最低投票率にこだわるニュース番組を観て不安に思っていたのだが(いや、あんなにものを考えていないとは思わなかったよ)、それほどひどい状況でもないようだ

注意:ここでしているのは手続きの話であって、改正内容の話ではない

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コメント(2)

最低投票率を設けようと言っている人たちが算数が出来るか出来ないかはわかりませんが、基本的に日本人をナメているんですかね?

少なくとも、40 % とかは上回ると思います。たとえ、下回ったとしても、
それは投票に行かないやつがよくないのには同感です。
もちろん、現実的には投票に行けない人への配慮も必要ですが

最低投票率よりも、投票が草案一括か、項目別かの方が気になります。

> 最低投票率よりも、投票が草案一括か、項目別かの方が気になります。

ああ、そういう見方もあるのですか

私は一括がいいと思います。小説を章ごとに評価するようなものだとまでは言いませんが、全体で一つの思想体系となるものであるべきでしょう

今の政治家がそういうものを書けるとは思わないのですが、理想としては(法は理想(建前)を語らなければなりません)

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