ミステリーはあまり読まないのだけれど、「こわい」という評を聞いたから見てみた。
テリーの質問にはフランクリンゴシックの太字が使われている。おばさんのための偽の回答には、サイズを落としたアリアル
つまり、シンボリズムという観点から見ると、重要度ではケイよりテリーのほうが上とされているということね
それだけならいいわ。ワープロの世界の純粋主義者のあいだでは、アリアルはさんざんな言われようをしてるの(中略)地味だとか、平凡だとか、個性がないとか。それに厚顔無恥な模倣者だと思われてる。(中略)アリアルはヘルベチカの亜流だって認識されてるってこと。(中略)素人の目には、ヘルベチカとアリアルの区別はつかない。でも純粋主義者の目、プロの印刷職人や印刷デザイナーの間には、アリアルは寄生虫と映るわけ。(下巻p.49)
これはこわい。Arialがだめだということは、あえてHelveticaを買うような少数派を除けば、気づかぬところで、地味だとか、平凡だとか、個性がないとか言われているかもしれないということだ。(標準では、MacにはHelveticaが、WindowsにはArialが搭載されている。)
同じことは日本語フォントにも言える。ワープロの世界の純粋主義者のあいだでは、MS明朝はさんざんな言われようをしてるの(中略)地味だとか、平凡だとか、個性がないとか。それに厚顔無恥な模倣者だと思われてる。(中略)MS明朝は本明朝Lの亜流だって認識されてるってこと。(中略)素人の目には、本明朝LとMS明朝の区別はつかない。でも純粋主義者の目、プロの印刷職人や印刷デザイナーの間には、MS明朝は寄生虫と映るわけ。
フォントの話は実はこれで終わりなんじゃないかと、びくびくしながら先を見る。
MACアドレスはどうなってる?
(中略)
ここにあるノートパソコンとは一致しない。でも、そのことが証明しているのは、(中略)この二台のどっちかを*****に持って行って、*****のネットワークからメールを送信したわけじゃなさそうってことだけね。(下巻p.183)
これはこわい。証明できるということは、インターネットに接続できる任意のPCに対して、それに最も近い(つまりお家の中にある)ルーターまで侵入できる技術があるということだ。PCを使ってする行為はすべて、気づかぬところで監視されているかもしれないのだ。補足:IPアドレスは住所、MACアドレスはDNAのような個人識別子だと考えてほしい(一卵性双生児は除く)。住所がわかればDNAもわかる技術だといえば、こわさがわかるでしょう。
足に合う靴を探すのって、人生の大難問の一つよ(下巻p.190)
これはこわい。人生の大難問ということは、Handmade Shoes for Menを読んだくらいでは解決しないということだ。それとも靴はなにかのメタファーなのか。
じゃ、あなたのコンピューターは、メタファーをどうやって認識するわけ?
不整合な名詞と動詞を含む、独立した情報の塊を探すの。(下巻p.344)
これはこわい。メタファーを認識するエージェントがあるということは、それに仕事を奪われる人がたくさん出るということだ。新たな難問を作り出さなければ、というプレッシャーに押しつぶされる人も出てくるだろう。
フォントがどう効いてくるかは、実際に読め(れ)ばわかるか。
あれってアリエルって読むんだ?アライアルかと思ってた。あのフォントかわいいじゃん。私英語書くときほとんどあれしか使わない。あとComic Sans MSも好き。フランクリンゴシックもかわいいよね。
yurichiさん
アリアルがいいと思いますが、
airy hellだからエリエルだという話もあるようです。
もう一度書きます。